カナダツガの小屋組
ヤング係数が高いカナダツガでつくる
スレンダーな小屋組
勾配屋根の木造建築において小屋組を和小屋とする場合は、棟木・垂木・小屋束・母屋・小屋梁・軒桁といった部材を組み合わせて構造を成立させます。た だし、木材は繊維方向には強いものの、繊維と直交方向には柔らかく縮みやす いのが特徴です。棟木・垂木・母屋・小屋梁・軒桁は鉛直荷重を繊維と直交す る面で負担するので、部材の成が十分でなければ曲がりやすくなります。一方、 カナダツガはヤング係数が E120であり、横架材として利用した場合、その材料特性を活かし断面寸法を小さくすることが可能です[※]。部材の成を一般的なスギ材より抑えられるので、露しの小屋組をスレンダーに 見せることができます。
※部材の変形しにくさを示す数値として、ヤング係数があります。ヤング係数の値が大きいほど、部材は曲がりにくくなります。スギの一般的なヤング係数は E70 ですが、カ ナダツガのヤング係数はE120あり、たわみにくい材といえます。
カナダツガの接合金具保持力を
垂木・母屋・軒桁で生かす
和小屋を構成する垂木の母屋への接合は釘で行います。垂木と軒桁は、暴風時の吹上げが懸念されるため、ひねり金物や垂木留めビスでより強固に接合するのが一般的です。ここで、木材に求められるのが接合金物の保持力。樹種によっては保持力が弱く、比較的小さな力でも、木材がバラバラになってしまう恐れがあります。一方、カナダの寒冷な気候のなかでゆっくりと成長したカナダツガは、ほかの樹種に比べて密度が高く、接合金物の保持力に優れています。
カナダの材料がグレー本(木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版))にどのように対応しているのかをまとめた冊子です。
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