カナダツガの小屋組

曲げに強いカナダツガでつくる
スレンダーな小屋組

勾配屋根の木造建築において小屋組を和小屋とする場合は、棟木・垂木・小屋束・母屋・小屋梁・軒桁といった部材を組み合わせて構造を成立させます。た だし、木材は繊維方向には強いものの、繊維と直交方向には柔らかく縮みやす いのが特徴です。棟木・垂木・母屋・小屋梁・軒桁は鉛直荷重を繊維と直交す る面で負担するので、部材の成が十分でなければ曲がりやすくなります。一方、 カナダツガはヤング係数が E120、曲げ強度が F330 であり、横架材として利用した場合、その材料特性を活かし断面寸法を小さくすることが可能です[※]。部材の成を一般的なスギ材より抑えられるので、露しの小屋組をスレンダーに 見せることができます。

部材の変形しにくさを示す数値として、ヤング係数があります。ヤング係数の値が大きいほど、部材は曲がりにくくなります。スギの一般的なヤング係数は E70 ですが、カ ナダツガは E120。材が曲げ破壊されるまで荷重をかけたときの強さを示す曲げ強度(F) も 330 であり、曲がりにくい材といえます。

カナダツガの接合金具保持力を
垂木・母屋・軒桁で生かす

和小屋を構成する垂木の母屋への接合は釘で行います。垂木と軒桁は、暴風時の吹上げが懸念されるため、ひねり金物や垂木留めビスでより強固に接合するのが一般的です。ここで、木材に求められるのが接合金物の保持力。樹種によっては保持力が弱く、比較的小さな力でも、木材がバラバラになってしまう恐れがあります。一方、カナダの寒冷な気候のなかでゆっくりと成長したカナダツガは、ほかの樹種に比べて密度が高く、接合金物の保持力に優れています。その保持力は一般的なスギの約1.87 倍[※]。接合金具が引き抜かれるリスクはかなり低く、安全性はかなり高いといえます。

カナダツガのHem-Fir(N)格付け製材(E120-F330)と、スギ製材(無等級材)を比較した釘の引抜き抵抗試験(単調載荷試験)では、Hem-Fir(N)格付け製材がもつ最大耐力の平均値はスギ製材の1.87 倍にも達します